[2013年05月21日]

小満の月へ開けおく納屋の窓

黛 執

小満(しょうまん)が夏の季語。
小満は、24節気の一つで、「暦便覧」によれば「万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る」とあります。これは万物がしだいに長じて天地に満ち始めるという意味です。蚕が眠りから覚めて桑を食すようになり、麦の穂が伸びて、また田植えの準備に忙しくなる季節です。そろそろ南のほうで梅雨が始まり、地に恵みをもたらす頃でもありますね。
この句は、見たそのままですね。小満の夜に出た月の明かりを、農事作業のための納屋の窓を開け放して一杯入れてあげよう、という作者の心持を詩に詠んでいます。
たんたんと表現した中に一遍の詩情が感じられます。昔の日本の農家はこれから始まる地の恵みへの準備に追われます。
作者まゆずみ・しゅうの紹介は、2006年3月22日を参照。
(出典:角川春樹編「合本現代俳句歳時記」、2004年刊)
・昨日は雨、今朝も曇っていますが、これから晴れることでしょう。少しずつ梅雨に向かっていますね。

投稿者 m-staff : 2013年05月21日 09:41

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