[2013年05月23日]

もちの花さくともなくてちりにけり

村上鬼城(1865~1938)

もち(黐)の花が夏の季語。
黐は、難しい漢字ですね。あまりお目にかかることはありません。
この花は、垣根や家の裏、庭の隅に植えられていて目立たない木ですが、細かな花をぎっしり付けたときは、おやっと思うほど印象的です。また、はらはらと散るときは風情がありますね。
モチノキ科の常緑小高木。もちのきは、宮城県以西の本州、四国、九州などに分布しています。高さは3から5メートル、雌雄異株で夏になると黄緑色にひかえめな花序をつけます。花は地味ですが、香りが強いのが特徴です。秋には赤い実を結びます。剥ぎ取った樹皮を水につけて砕いて洗ったものは粘着力がある「とりもち」で小鳥の捕獲などに使いました。
この句は、もちの花の地味ながら印象的な存在をよく見つめていますね。自然界では、何の取柄がなくてもその存在に無駄はありません。
同じ作者に次の句があります。
黐ちるや蟇こもりゐる垣の下   鬼城
この句のほうが景色は見えますね。
作者むらかみ・きじょうの紹介は、2005年2月2日を参照。
(出典:平井照敏編「新歳時記」河出文庫、1989年刊)
・オクラホマの竜巻はあまりの凄さに唖然としますね。それもある地域だけですから運命を感じます。

投稿者 m-staff : 2013年05月23日 09:36

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