[2013年06月16日]

みほとけの千手犇く五月闇

能村登四郎(1911~2001)

五月闇が夏の季語。梅雨闇、夏闇も同意の季語です。
この季語は、月の出ていない夜の真っ暗な闇と、雨が降っていたり、雲が深く垂れ込めていてどんよりとした真昼の薄暗さとの両方を指します。照明器具の発達した現代では、なかなか闇の実感は湧きませんが、明暗の微妙な変化が与える心象的な部分も避けがたくありますね。
この句は、昼なお暗い五月雨の時に、千手観音を安置している御堂の中で、ふいに千手観音の手が犇(ひしめ)いているのを感じました。大きな仏像でしょうね。仏像が持っている魔性の側面が顕になっています。千手観音は40本の手で表され、掌ごとに一眼を持ち、一本の手ごとに25有(う)を救うとされ、そこで千手となります。
この句は、1984(昭和59)年刊行の「天上華」に所収されています。
今日は、父の日。例年、笹かまぼこが送られてきますが、今年はどうでしょうか?
作者のむら・としろうの紹介は、2006年8月20日を参照。
(出典:大岡 信著「第五 折々のうた」岩波新書、1986年刊)
・サッカー日本代表は3対0でブラジルに完敗。ザック監督は途中でベンチに坐ったきりでした。ラグビー日本代表は強いウェールズに勝ったというのに。

投稿者 m-staff : 2013年06月16日 09:08

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