[2013年07月07日]

草笛や子が留守の家吹きあるく

加藤知世子 (1909~86)

草笛が夏の季語。蘆笛も同意の季語です。
今日は、一部の地域で七夕。俳句では秋の季語になっています。
草の葉を、唇に当てて吹くと綺麗な音が出ます。小さい頃の遊びの一つですね。主に蘆の草笛がよく知られています。音が思うように吹けないときにはいらいらしますが、それが何かの拍子に音が出るととても嬉しくなります。音は鋭く澄んでいてどことなく物悲しい感じがしますね。
さて、この句は何の葉で吹いたのでしょう。子どもたちが出払った家の中で、母は一人で草笛を吹いています。無事に帰ってくることを祈っています。この句は、1986(昭和61)年刊行の「頬杖」に所収されています。
さて、本サイトの「日めくり俳句」で、私がとても参考してお世話になっている、作家・文芸評論家の村上護氏が71歳で6月29日、すい臓がんのため死去されました。愛媛県大洲市出身。1972年、著書「放浪の俳人山頭火」がベストセラーとなり、俳人の伝記や俳句に関する著作を多く残しました。合掌。
作者かとう・ちよこ紹介は、2005年7月24日を参照。
(出典:大岡 信著「第七 折々のうた」岩波新書、1989年刊)
・今日も暑そうですね。水分を上手に補強しなければなりません。

投稿者 m-staff : 2013年07月07日 09:06

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