[2013年07月20日]

満員電車巾着切りも汗すらむ

林原耒井(1887~1975)

汗が夏の季語。汗ばむ、汗にじむ、汗みどろ、玉の汗、汗の香、汗臭ふも同意の季語です。
発汗作用は四季を問いませんが、季語としては発汗量の多い時期の夏の汗を指しています。労働やスポーツによる汗も、汗を季語としている場合は夏とされています。したがって、感覚的な刺激による冷や汗などは含みません。
作者は漱石最後の門人で、学生の頃から夏目家に出入りし、後に漱石全集の校訂などの従事しました。
この句の背景には、敗戦後間もない時期の日本の状況がよくうかがわれます。満員電車の中で「巾着切り(スリ)」が汗をかいて仕事をしている様子をおかし味を込めて表現していますね。
この句は、1958(昭和33)年刊行の句集「蜩」に所収されています。
作者はやしばら・らいせい紹介は、2007年5月30日を参照。
(出典:大岡 信著「第八 折々のうた」岩波新書、1990年刊)
・今日は横浜で句会でした。

投稿者 m-staff : 2013年07月20日 20:45

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