[2013年08月17日]

露けしや特攻戦記にわが名前

小出秋光(1926~2006)

露けしが秋の季語。露、白露、朝露、夜露、露の玉、露時雨、露むぐら、芋の露も同意の季語です。
露けしは、露が多い、湿気が多い状態を言います。露は、夜に晴れていて風の無い時に、放射冷却によって地面が冷える時にそれに接する空気が冷えて、含まれている水蒸気が水滴になるもので、秋に多いので秋の季語になっています。一面に降って、時雨のようになるのを露時雨ともいっています。
この句は、1986(昭和61)年刊行の句集「一日仕切」に所収されています。
この句の作者は、少年飛行兵になって台湾に往き、戦闘機に乗ってフィリピン、沖縄に出撃しました。特攻出撃寸前に敗戦になり、復員しました。
露の気配が感じられる秋の夜に、たまたま呼んでいた雑誌の中に、ご自分の名前を見つけたその驚きがさらに露の気配がひときわ深まります。
作者こいで・しゅうこうの紹介は、2005年5月3日を参照。
(出典:大岡 信著「新 折々のうた2」岩波新書、1995年刊)
・今日は横浜で句会でした。朝方にばたばたして夜に公開しています。

投稿者 m-staff : 2013年08月17日 21:02

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