[2013年08月24日]

いなづまやどの傾城とかり枕

向井去来(1651~1704)

いなづま(稲妻)が秋の季語。稲光、稲の殿、いねつるみ、いなつるび、いなたまなども同意の季語です。
秋の夜は、はるかな空に電光が走ることがあります。それは稲妻で、遠いために雷鳴が聞こえてきません。昔から稲光で稲が実るといわれていて、稲の妻と考えて稲妻と言いました。稲光といえば季節に関係が無く、稲妻といえば秋になります。
この句の大意は、どの傾城と仮枕、すなわち仮寝、旅寝を楽しんでいるのかしらということになります。傾城は遊女のことで彼女たちもはかない存在、常の無いもの同士がかりそめの出会いを詠んだ哀愁の漂う句です。
作者は、蕉門十哲のひとり、高雅にして静寂な作風で知られています。武士の道を捨てて、京都の嵯峨に「落柿舎」と名づけた草庵を営み、芭蕉没後は蕉風の正しい俳諧の道を説きました。
作者むかい・きょらいの紹介は、2005 年8月11日を参照。
(出典:村上 護著「きょうの一句」新潮文庫、2005年刊)
・今日は軽井沢から横須賀へ帰っているはずです。

投稿者 m-staff : 2013年08月24日 09:31

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