[2013年09月05日]

けふの日の終る影曳き糸すすき

野見山朱鳥(1917~70)

糸すすきが秋の季語。芒、薄、尾花、花芒なども同意の季語です。
横須賀市西公園の草むらにすすきがたくさん風にそよいでいます。すすきは秋の代表的な植物ですね。
イネ科の多年草。すすきの名前の由来は、すすきの「すす」をすくすく生い立つ意味とする説と神楽鈴の木(神楽に使う鳴物の木)による意見とがあります。定説はありません。中空の茎の中には神霊が宿ると言われていて、野や山で一面を覆うすすきが夕日の中で風に揺れ、薄紫から銀色、さらに鈍色に変化する様子はまことに心をうたれる風景ですね。「糸すすき」は葉の細いものを言います。
この句は、1971(昭和46)年刊行の「野見山朱鳥全句集」に所収されています。作者は画家を志しましたが、病弱で断念、版画と俳句に専心し、虚子に大いに期待される存在でした。晩年は病床に臥している時期が長く、迫りくる死の気配に苦しみました。生と死のはざまに糸すすきの幻影が迫ってきます。
作者のみやま・あすか紹介は、2005年4月19日を参照。
(出典:大岡 信著「第三 折々のうた」岩波新書、1983年刊)
・横須賀には大雨、土砂崩れ警報がでています。雷も鳴っています。くわばら、くわばら。

投稿者 m-staff : 2013年09月05日 10:25

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