[2013年09月17日]

生涯の影ある秋の大地かな

長谷川かな女(1887~1969)

秋の大地が秋の季語。白秋、金秋、素秋、三秋、九秋なども同意の季語です。
秋は、古人が「もののあわれこそ秋こそまされ」と言ったように、清爽で悲哀のある風情が満ちている季節ですね。
作者は、虚子の門下でも女流俳人として早くから注目をされていました。夫で俳人の長谷川零余子には先立たれましたが、その遺志をついで俳誌を創刊主宰しました。
この句の「生涯の影ある」と言う言葉には、晩年を迎えた人の静かな回想的な気持ちがこもっていますね。それを受ける「秋の大地かな」が大きな明るい様子を広げてくれました。陰と陽が背中合わせに見事に調和していますね。
この句は、1955(昭和30)年に刊行の句集「胡笛」に所収されています。
作者はせがわ・かなじょ紹介は、2005年7月30日を参照。
(出典:大岡 信著「第五 折々のうた」岩波新書、1986年刊)
・台風18号が様々な被害をもたらしながら北へ去ってゆきました。
 狼藉を残して野分北へ去る  風伯

投稿者 m-staff : 2013年09月17日 09:28

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