[2013年09月28日]

寄ると冷えすさるやほのと夢たがへ

加藤知世子(1909~86)

冷えが秋の季語。冷ややか、ひゆる、ひやひや、下冷え、秋冷、朝冷え、雨冷えなども同意の季語です。
秋になって感ずる冷え冷えとした感情を言います。
この句の対象は、奈良法隆寺の国宝銅像観音(俗称は夢違観音)で秋の吟行で作られました。そのお姿は、切れ長の涼しい目、ほのかな微笑の白鳳時代の彫刻の代表的な存在です。夢タガエ、夢チガエとは、悪夢をまじないによってよい夢に
変えることで、古人はこの立像にその夢を託しました。像は引き締まった理知的な表情をしていますが、弾力のある肉体表現にはまた美少年の面影を宿しています。この句は近づいて見れば理知的、離れてみれば温容の像の感じをよく捉えていますね。
この句は、1977(昭和52)年刊行の「夢たがへ」に所収されています。
作者かとう・ちよこの紹介は2005年7月24日を参照。
(出典:大岡 信著[続 折々のうた]1981年刊行)
・今日はパソコンがシステムダウンでリカバリディスクを行いました。やれやれ。

投稿者 m-staff : 2013年09月28日 11:47

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