[2013年10月07日]

舟競ふ那珂の川口鰯雲

麻田椎花(1869~1948)

鰯雲(いわしぐも)が秋の季語。鱗雲、鯖雲も同意の季語です。巻積雲(けんせきうん)のことで、小さな雲片が小石のように並んで集まり、規則的にさざ波のようで、白く薄く漂います。広がりは様々で、小さいことも全天にかかる場合もあります。高い空に出て鰯が群れるように見えるので鰯雲、鱗のように見えるので鱗雲などと呼ばれます。鰯雲は雨になりやすく、鰯がよく取れるといわれますね。
この句の舞台は、茨城県の中部にある那珂川の河口で、そこに那珂湊の漁港があります。太平洋に鰯雲が出て、このような天気のときは鰯が大漁です。大漁旗を翻して競って船が帰ってきます。海の男たちのドラマが見えるようですね。
作者あさだ・すいかは、京都市の生まれ、家は代々西本願寺の寺侍。西本願寺に出仕。1892(明治25)年に西本願寺が発行している「反省雑誌」を経営し、これが後に独立して「中央公論」になったときに、中央公論社の初代社長になりました。俳句は大正末期からはじめ、高浜虚子に師事して「ホトトギス」の同人になりました。
(出典:村上 護著「今朝の一句」講談社、1995年刊)
・そろそろ年賀状のことを考えて、住所録を整理していて、送るべき人がだんだん少なくなってきて、ちょっぴり寂しくなりました。

投稿者 m-staff : 2013年10月07日 08:40

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