[2013年10月29日]

ねこじやらし男の影の一握り

藤田湘子(1926~2005)

ねこじやらしが秋の季語。狗尾草(えのころぐさ)、犬子草も同意の季語です。
この草はどこにでもあり、誰もが知っていて、「猫じゃらし」の名前がいかにも俳句的といえますね。お日様に透けたところや風になびく様子が楽しくさせてくれます。道端や畑のふちに生えるイネ科の1年草。長さ5センチほどの緑色の穂が風に吹かれて面白い動きをします。この穂が子犬の尾のようなので犬ころの意味の狗(犬)のころ」草と呼ばれます。欧米では穂を狐の尾にたとえて「フォックステイル・グラス」と呼んでいます。
この句は、猫じゃらしの風に揺れている様子は、男の影が一握りに揺れていると、うがった見方をしていますね。偉そうにしていてもたいしたことはないのだと喝破しています。
同じ作者に次の句があります。
山彦のはじめはつばらにねこじやらし  湘子
「つばら」はくわしいさま、つまびらかの意味。
作者ふじた・しょうしの紹介は、2005年4月22日を参照。
(出典:阿部誠文著「輝ける俳人たち」、邑書林、1996年刊)
・大リーグは、レッドソックスとカージナルスが2勝2敗でタイ。今日勝ったほうが王手。寒い中で選手が燃えています。

投稿者 m-staff : 2013年10月29日 09:47

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