[2013年11月28日]

赤ん坊の尻持ち上ぐる冬座敷

波多野爽波(1923~91)

冬座敷が冬の季語。
夏に「夏座敷」という季語があるように、冬の趣をそなえた「冬座敷」がこれに当たります。昔の屋内は板張りでしたが、その後、畳を敷き詰めた部屋、特に客用の部屋を座敷と言います。和風のつくりになっていて、平素は人の出入りの少ない部屋が想像されます。ガラス障子からは、外の冬枯れの風景などが見られればいっそう季節感がわいてきますね。
この句は赤ん坊を詠んでいますが、とかく俳句では可愛いものですから対象にのめりこんでしまって印象が浅くなります。しかし、この句はその日常性が際立っています。外から孫の赤ん坊がやってきて、お締めを代えているのでしょうね。「尻、持ち上ぐる」が軽妙ですね。
この句は1990(平成2)年に刊行の「一筆」に所収されています。
作者はたの・そうはの紹介は、2005年7月11日を参照。
(出典:大岡 信著「第九 折々のうた」、朝日新聞、1991年刊)
・今日は地平線に冬の雲が張り付いていて重く感じます。富士山にも上のほうに横雲がたなびいています。

投稿者 m-staff : 2013年11月28日 09:33

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