[2013年12月11日]

玄海を源として虎落笛

伊藤通明

虎落笛(もがりぶえ)が冬の季語。
この季語は、冬の厳しい風が電線や垣根、柵などに吹き付けて、笛のような音を発することを言います。屋内にいてその音を聞くと、外は寒くて鋭い風が我が物顔で跳梁している感じがしますね。虎落(もがる)という奇妙な漢字を当てていますが、これは中国で虎を防ぐための柵の意味です。それと喪あがりの意味の「殯(もがり)」から生じたもので、火葬場の設けた木や竹の囲い、さらに戦場の防御の柵などを指すようになったことから結び付けられたと言われています。
この句の「玄海」は玄界灘のことで、福岡県の北西方面の海を指します。遥か彼方の玄界灘に源を発して虎落笛が聞こえてくる表現しています。作者は俳句に託してメルヘンの世界を披露しています。
作家の檀 一雄に次の句があります。
モガリ笛いく夜もがらせ花ニ逢はん  一雄
名句ですね。
作者いとう・みちあきの紹介は、2008年8月29日を参照。
(出典:村上 護著「今朝の一句」、講談社、1995年刊)
・昨日は強風、雨、雷、晴れとめまぐるしく天気が変わりました。今日は晴れて穏やかな日和です。

投稿者 m-staff : 2013年12月11日 09:39

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