[2013年12月30日]

ゆく年や草の底ゆく水の音

久保田万太郎(1889~1963)

ゆく年が冬の季語。行く年、暮行く年、年逝く、年流る、流るる年、いぬる年、年送るなども同意の季語です。
今年も今日と明日で終わり。今年もいろんなことがありました。なかでも気象の変動が大きく、地球温暖化のつけが様々な形で現れてきます。来年はその防御に追われる1年の予感がします。
この句の前書きには、「文学座、十周年を迎えて」とあります。1947(昭和22)年の作です。文学座と言えば、岩田豊雄、岸田国士、久保田万太郎らを指導者にして、政治性を排した現代劇の上演を目指して杉村春子ら結成した劇団。
この句は、様々な苦難を乗り越えて新劇の世界に確りとした地歩を築くという意味をうかがわせますね。風景は、水草の生えている小川でしょうか。草の底のほうから水の音がする、といった平凡にも見える姿から、年を惜しみ、さらに思い出す風情が感じられます。
作者くぼた・まんたろうの紹介は、2005年1月6日を参照。
(出典:「久保田万太郎全句集」、中央公論社、1971年刊)
・今日は、寒いけれどよい天気で、連日富士山がすっきりと見えます。

投稿者 m-staff : 2013年12月30日 09:44

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