[2014年01月19日]
あらはれて見えよ芭蕉の雪女
野々口立圃(1595〜1669)
雪女が冬の季語。雪女郎、雪坊主も同意の季語です。
雪女といえば、小泉八雲の「怪談」を思い出しますね。雪深い道に、雪がしんしんと降る夜、白い衣の女がたたずんでいてあやしを誘います。雪国の幻想ですが、どこかに現実味を帯びて悲しみを覚えます。
この句は、作者がそのような雪女にあこがれて、謡曲「芭蕉」の中で、女性が雪の中に芭蕉の精となって表れるくだりを踏まえて、私の前に現れてほしい、と詠んでいます。現代にも通ずる面白さがありますね。
作者ののぐち・りゅうほは、京都の生まれ、家業は雛人形細工の職人でしたが、俳諧を松永貞徳に学びました。のちに貞徳に離反して、立圃流を開きました。俳画もよくして、元禄時代以後に俳画が流行するそのさきがけとなりました。句集に「はなひ草」があります。
(出典:村上 護著「今朝の一句」、講談社、1995年刊)
・昨日の横浜句会で次の句を披露しました。
初句会無用の用の遊びかな 風伯
投稿者 m-staff : 2014年01月19日 09:53
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