[2014年01月31日]

褞袍着てぬつと顔出す老作家

榊原風伯

褞袍(どてら)が冬の季語。丹前も同意の季語です。
1967(昭和42)年の寒い朝、小生がその当時、河出書房発行の「文芸」の一編集者であった頃、「文芸時評」の原稿を取りに神田駿河台下の旅館に出かけたときの話です。
旅館の玄関口にぬっと顔を出した老作家(その時60歳)、がいました。その老作家は、文芸評論家の平野 謙氏(1907〜78)。本名、朗(あきら)。政治と文学、私小説の問題などを中心に戦後文学の理論的支柱として大いに活躍しました。著作には「島崎藤村」「芸術と実生活」「昭和文学史」など多作。自らを「平(ひら)批評家」と呼んでいました。
その当時の高名な作家が褞袍姿で原稿を渡してくれたことが今でも鮮明に思い出されます。
褞袍は、広袖の綿入り防寒用の着物。江戸では褞袍、関西では丹前と呼びました。もともとは、大形の着物が変化して、それをくつろぎ着として寒い時に着たところから変化したもの。
(出典:俳誌「炎環」、2010年2月号より)
・なんとか1月を風邪もひかずに乗り切りました。さあて来月はどうでしょうね。いよいよロシアのソチで冬季五輪、応援しなくては。

投稿者 m-staff : 2014年01月31日 10:02

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://yasumasa.jp/nmt/mt-tb.cgi/4685