[2014年02月13日]

春寒くこのわた塩に馴染みけり

鈴木真砂女(1906〜2003)

春寒くが春の季語。春寒、春寒し、寒き春、春の寒さ、料峭(りょうしょう)も同意の季語です。
春寒は、春が立ってからやってくる寒さを言います。余寒と同じことですが、余寒は寒さのほうに中心があり、春寒は春のほうに中心があります。料峭は、春の風が冷たく感ぜられることを言います。まだ寒くはありますが、春の気持ちは確かに感じられますね。かすかにほのかな明るさがあります。
この句の「このわた(海鼠腸)」は、海鼠(なまこ)のはらわた、あるいはその塩辛のことを言います。冬の季語ですね。寒中に作るのが良しとされています。作者は、銀座の小料理屋を一人で切り盛りしていました。作句は、確かに生活感にあふれているものばかり。海鼠腸の塩辛で一杯日本酒を飲みたくなりましたよ。
この句は、1986(昭和61)年刊行の「居待月」に所収されています。
作者すずき・まさじょの紹介は、2005年5月16日を参照。
(出典:大岡 信著「新折々のうた1」、岩波新書、1994年刊)
・そろそろ花粉が飛ぶ季節になってきました。今年はどうでしょうね。まだその兆候はありませんが、いきなりやってきますから要注意です。

投稿者 m-staff : 2014年02月13日 09:52

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