[2014年03月08日]

永き日のにはとり柵を越えにけり

芝 不器男(1903〜1930)

永き日が春の季語。日永、永日(えいじゅつ)、日永しも同意の季語です。
短かった冬の日がだんだんと長くなり、やがて必ず春が来ます。春の訪れを待ち望んでいた心には、とりわけ日が長くなったと感じられます。そこには春ののどけさ、春を迎えた伸び伸びとした気持ちも込められていますね。
そのようにしてのどかに過ぎてゆく春のある日、にわとりが柵を越えて逃げてしまいました。どこかユーモラスな雰囲気の漂う風景が捉えられていますね。昔の農家ではにわとりがよく庭に放し飼いにされていました。このような光景は、日常的に見られました。「永き日のにはとり」と特定されたことにより、より鮮明に春の日の出来事が浮かんできます。
作者しば・ふきおの紹介は、2005年5月24日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹事務所、1998年刊)
・わが恩師・清水幾太郎先生の「わが人生の断片(上・下)」(文芸春秋社、1975年刊)をおよそ39年ぶりに読破。今読んでいても文章のうまさに感服。偉い先生でした。学者、教育者、研究者、ジャーナリストとして一流でした。自伝を「人生の断片」と呼ぶことに感動しますね。

投稿者 m-staff : 2014年03月08日 09:09

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