[2014年04月16日]

朧夜や氷離るる岸の音

吉川五明(1731〜1803)

朧夜(おぼろよ)が春の季語。朧、朧月、月朧、朧月夜なども同意の季語です。
朧夜は、朧の月が出ている夜のことです。
この作者が住んでいた秋田と言えば、美人県で知られていますね。昔からの喩えで、日本海側の県には一県おきに美人が多いそうです。青森は●、秋田○、山形●、新潟○、富山●、石川○、福井●、だそうです。本当かどうかを実際に確かめられませんね。言われてみればああそうかしらと言ったお話です。
この句のように、秋田に在って、張り詰めた氷の解けるころ、ことに岸辺では割れて解ける音が聞こえてきます。朧夜の静かな情景の中で、氷の解ける音が聞こえて来るようですね。
作者は、江戸後期の秋田の豪商。若い時から俳諧を好み、芭蕉の「猿蓑」を読んで蕉風の俳諧に傾倒し、秋田正風の祖となりました。蕪村の句風にも影響を受け俳画もよくして、東北の風土や生活をよく詠みました。
作者きっかわ・ごめいの紹介は、2012年4月17日を参照。
(出典:日本古典文学大系92「近世俳句俳文集」、岩波書店、1964年刊)
・今日、ニューヨークは雨。田中将大の登板は無し。一昨日のイチローが飛んでスパーキャッチは語り草になりました。きっと出場機会が増えることでしょう。

投稿者 m-staff : 2014年04月16日 09:17

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