[2014年05月03日]

風おもく人甘くなりて春くれぬ

加藤暁台(1732〜92)

春くれぬが春の季語。暮の春、暮春、春暮るる、末の春なども同意の季語です。
この季語は、春の季節が終わろうとしているという意味で、春の日暮れではありません。暮の秋と同様に平安の昔から使われています。過ぎてゆく春を感情的に表すよりも、むしろ淡々と春が過ぎてゆくというような気持ちで用いたいものです。
この句は、春の暮の「風」と「人」、「おもく」と「甘く」の言葉の選び方で、句に不思議な安定感が生まれていますね。春の暮になれば、風が重くなるわけではありません。人が甘くなるわけではありません。しかし、どこか納得させられるから俳句は面白いですね。
作者は名古屋の人。芭蕉の百回忌を盛大に主催し、中興俳壇の一翼を担い、蕪村没後には上方俳壇の長老として尊敬されました。
今日は、憲法記念日。かまびすしきは、憲法9条の改悪論。アメリカの押しつけとは考えずに、日本人が世界に誇る平和憲法と考えればいいのです。
作者かとう・きょうたいの紹介は、2009年10月11日を参照。
(出典:大岡 信著「第十 折々のうた」、岩波新書、1992年刊)
・気温がこのところ日中20度を越す日が多くなりました。富士山も霞んでよく見えなくなりました。今年の5月5日は立夏ですね。

投稿者 m-staff : 2014年05月03日 08:56

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