[2014年08月05日]

炎天を行くやうしろは死者ばかり

石塚友二(1906〜86)

炎天が夏の季語。炎気、炎日、炎帝なども同意の季語です。
炎天は、夏の盛りの空を言います。
この句はよくよく考えると強烈なメッセージを送ってきますね。作者の「死者」の中には、横光利一や石田波郷などをはじめ多くの知友の面影があるのでしょうが、一方、句そのものにもっと普遍的に通じる炎天下の感慨が込められているようにも思います。
さて、ひるがえって私自身にもこの1年で次々と知友が亡くなっています。後ろを振り向くまでもなくはるばる来つるものよ、といった心境になりますね。
この句は、1976(昭和51)年刊行の句集「磊磈(らいかい)」に所収されています。句集の題名は、作者自身の石塚の姓にちなんでつけたもので「いしころ」ばかりという意味を持っています。
作者いしづか・ともじの紹介は、2005年10月9日を参照。
(出典:大岡 信著「第十 折々のうた」、岩波新書、1992年刊)
・上の句にあるように、8月はほかの月と違って1年中で一番、何やら死者の匂いがしますね。先の大戦での終末にかけて多くの方々が亡くなっているからでしょう。また、お盆の時期でもあります。

投稿者 m-staff : 2014年08月05日 08:52

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