[2014年10月09日]

京といへば嵯峨とおもほゆ竹の春

角田竹冷(1856〜1919)

竹の春が秋の季語。竹伐るも同意の季語です。
竹は黄色に変化して葉を散らす春期を「竹の秋」と言い、青々と茂る秋期を「竹の春」と言っています。このように春秋を逆に表現する感覚が面白いですね。
「新古今和歌集」には次の歌があります。
「時雨ふるおとはすれども呉竹のなどよとともに色はかはらぬ」
周りの木々が紅葉しても、色の変わらない秋の竹は、変わらぬものの象徴と言われています。
この句は、竹の美しさを、古くから秋草、虫の名所であり、由緒ある「京都の嵯峨野」に求めています。作者はきっとかつて落柿舎あたりの竹藪を散策したことを思い出して詠っていますね。
作者つのだ・ちくれいは、安政3年静岡県の生れ、明治の初めに上京して、代言人(弁護士)になり、東京市議、衆議院議員などを歴任。俳句は尾崎紅葉などと秋声会を結成し「秋の声」を創刊しました。新派俳壇の興隆に貢献し俳書の収集につとめ、「竹冷文庫」は有名。著書に「俳遊記」、「聴雨窓俳話」などがあります。
(出典:村上 護著「今朝の一句」、講談社、1995年刊)
・世の中は、LEDの話題で持ち切り。ところでLEDは、light-emitting diode、発光ダイオードのこと。ノーベル賞の物理学賞でこんなにも身近な製品に使われているのはまことに珍しい事です。暗い世の中を照らしてくれますね。

投稿者 m-staff : 2014年10月09日 09:19

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