[2014年10月25日]

あやまちはくりかえします秋の暮

三橋敏雄(1920〜2001)

秋の暮が秋の季語。秋の夕暮、秋の夕、つるべ落としも同意の季語です。
この季語は秋の日暮れのことで、秋の終わりのことではありません。古来この両方に使われてきましたが、今では日暮れ時だけを使います。ただし、春の暮の方は、逆に季節の終わりとして使われ、後になって季節の終わりと春の日暮れの両方に用いられました。秋の終わりは「暮の秋」といいます。
この句は、あの広島の原爆慰霊碑の碑銘をもじったことは言うまでもありませんね。不謹慎との声もあるでしょうが、作者のアイロニーを深く感じさせてくれます。戦前。新興俳句の尖鋭として活躍した作者の社会問題への切り口に感心させられます。
この句は、1988(昭和63)年刊行の「畳の上」に所収されています。
同じ作者に次の句があります。
縄と縄つなぎ持ち去る秋の暮    敏雄
縄と縄をつないで一体何をたくらんでいるのでしょうか。
秋の暮柱時計の内部まで      敏雄
夏から秋になり、それも静かに過ぎてゆきます。柱時計の中まで秋の暮と言う取り合わせに面白さを感じました。
作者みつはし・としおの紹介は、2005年1月21日を参照。
(出典:大岡 信著「新 折々のうた2」、岩波新書、1995年刊)
・今朝はサンフランシスコでのワールドシリーズ第3戦。A&Tパーク球場は不思議な格好をしていてオールスターゲームでイチローのランニングホームランを生みました。また、夜には日本シリーズの阪神ソフトバンク戦。楽しみです。

投稿者 m-staff : 2014年10月25日 09:06

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