[2014年11月02日]

鬼灯のさすればつぶす歎哉

服部嵐雪(1654〜1707)

鬼灯(ほおづき)が秋の季語。
この秋我が家では、枝に5個ほどの赤い袋の鬼灯がしばらく居間の机の上で目を楽しませてくれました。
この句は、知人が愛娘を亡くしたのを慰めるために作ったと言われています。鬼灯の熟した実は、さすってもみほぐし、さすってはもみほぐして、種子を抜いて口にくわえて鳴らして遊びます。さすり方を間違えると失敗して突然袋が破れてしまいます。昔やったことがありましたが、なかなかうまくゆかないことでした。
作者は、知人の娘の突然の死を、丹精してさすっていた鬼灯の実がぷつんとはじけたのにたとえて、親の歎(なげ)きを思いやり句が誕生しました。
この句は、発句集「玄峰集」に所収されています。作者は、榎本其角と並んで、芭蕉門下の古参の高弟でした。俳画をよくして晩年は禅に深く傾倒しました。其角に比べる穏健質実で、句風も地味でしたが、後々まで嵐雪一門は続きました。
作者はっとり・らんせつの紹介は、2008年11月10日を参照。
(出典:大岡 信著「第十 折々のうた」、岩波新書、1992年刊)
・昨日は一日中雨で外出もままならず、ブラームスの室内楽を聞きながら、スティーヴン・キングの「11/22/63(イチイチ・ニイニイ・ロクサン)」を読んでおりました。1963年11月22日のケネディ大統領暗殺に絡まる奇想天外なホラー大作。種明かしはしませんが、これが実に面白い小説。今年の野球も終わったので俳句と読書と音楽の季節です。

投稿者 m-staff : 2014年11月02日 10:33

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