[2014年11月09日]

うかうかと生きてしも夜や蟋蟀

勝見二柳(1723〜1803)

しも(霜)夜が冬の季語。
霜を置く寒い夜。家の外がほの白い霜の夜は、ひとしお孤独感が増してきますね。
新古今集に次の歌があります。
「きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣片敷きひとりかも寝む」
昔の人の住宅事情からして、寒かったでしょうね。
この句の「前書き」には、「老懐」とあって、おのれの老残の思いを寄せた句です。中七の「生きてしもうた」とは、軽い自嘲で、霜夜と掛けています。ひとり寝の家の軒下では季節遅れの「きりぎりす(蟋蟀)」(当時は螽斯(こおろぎ)と混同していました。それを聞きながら自分のあの虫と同じでいい加減に生きてきて老後を迎えてしまった、というわが身の哀れを詠っています。
作者かつみ・じりゅうは、石川県山中生れ、年少にして、蕉門の乙由から俳諧を学びます。芭蕉没後50年にして、芭蕉の風化するのを憂いて諸国を旅して蕉風復活再興に尽力しました。難波に居を構えて中興俳諧の有力な一派をなしました。句集「二柳庵発句集」など。
今日は、語呂合わせで119番の日。
(出典:村上 護著「今朝の一句」、講談社、1995年刊)
・直前練習で中国選手と激突、男子フィギュア羽生選手の負けじ魂には驚きました。頭を打っているので、このあと後遺症が残らないことを祈ります。

投稿者 m-staff : 2014年11月09日 09:26

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