[2014年11月21日]

後尾にて車掌は広き枯野に飽く

小川双々子(1922〜2006)

枯野が冬の季語。枯原、裸野、枯野道、枯野宿、枯野人、朽野(くだらの)なども同意の季語です。
枯野は、冬になって、一面に生い茂っていた草も枯れて虫の音も聞こえなくなった野原を言います。
野のものさびた様子を詠うようになるのは、中世の歌人、連歌師などに拠ります。芭蕉が「旅に病で夢は枯野をかけ廻る」と詠んで以来、俳句を作るものにとってはとても大事な季語になりました。
この句のように、電車の最前部に立って、次々に現れる風景に没入したことがあるのは誰もが経験すること。しかし、後尾でのそれを経験するのはあまりありませんね。この句の着眼点に魅かれます。車掌なればこそそのよう事は見飽きていると言うのもそっけなくていいですね。
この句は、1962(昭和37)年刊行の句集「幹幹の声」に所収されています。
作者おがわ・そうそうしの紹介は、2005年8月17日を参照。
(出典:大岡 信著「第四 折々のうた」、岩波新書、1984年刊)
・沖縄で行われた日米野球の親善試合。今年の最後を飾る出来の良い試合でした。侍ジャパンに柳田、菊地、今宮、丸などの若い野手が活躍しました。アメリカの選手は家族とともにもう旅立ちました。お疲れ様でした。

投稿者 m-staff : 2014年11月21日 09:28

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