[2014年12月09日]

献体の還りし家の花八つ手

丸山哲郎

花八つ手が冬の季語。八つ手の花、天狗の羽打扇(はうちわ)も同意の季語です。
どのような場所でも育つ木ですが、日向の咲く花、日陰に咲く花など、周りの状況によって印象が変わってきますね。
ウコギ科の常緑低木。海に近い山林に自生して、また庭木としても親しまれています。厚い緑色の葉は光沢があり、深く切れ込んでいます。今頃になると、枝の先に白色で球状になった小花を幾つもつけます。地味ですが、レースのようになった花序が華やかですね。「天狗の羽打扇」と呼ばれて、大きな葉が福を招くという縁起があり、玄関のわきに植えられることがあります。
この句の「献体」とは、本人の意思によって、死後その遺体を研究用に無償で提供をすることを言います。亡くなった人が愛した花八つ手が献体を終えた遺体を迎えているという新派芝居の一シーンを見るようですね。
作者まるやま・てつろうの紹介は、2011年11月12日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹事務所、1998年刊)
・選挙が終わった後の開票結果は、本当にスリリングで毎回楽しみしています。2014年の掉尾を飾る衆院選は、どのようなドラマが生まれるのでしょうね。出口調査ですぐに当確を打たれては、楽しみが半減します。

投稿者 m-staff : 2014年12月09日 09:47

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