[2015年02月13日]

椿落ちて一僧笑ひ過ぎ行きぬ

堀 麦水(1714〜83)

椿落ちてが春の季語。椿、白椿、紅椿、藪椿、山椿、八重椿、乙女椿、玉椿なども同意の季語です。
この句で、僧がなぜ笑ったかはわかりませんが、何か暗示的なものが感じられます。単なる景色ではなく、軽い無気味さが漂いますね。椿が不意に枝から離れ落ちる瞬間に、僧の禅機が働いたのでしょうか。これに合わせるように、僧の高笑い。第三者には理解できない不条理な場面を想像して愉快になります。何か現代性を感じるから不思議ですね。
作者は卑俗を拒んで芭蕉の復帰を唱えました。形よりも意味を重視して、「およそ四季のうつり替わるを我物にしてあつかふは芭蕉無形の道なり」と説きました。
作者ほり・ばくすいは、石川県金沢生れ。生家は蔵宿(今でいう倉庫業)を営み、本人は多彩な趣味人。将棋の名人のゆえに藩主から五人扶持を支給され、長崎に遊んだ時にはローマ字で俳句を書いたと言われています。松尾芭蕉の復興を求めて、革新運動を展開したが、成果は実りませんでした。
(出典:阿部喜三男他編「近世俳句俳文集」岩波書店、1964年刊)
・花粉情報が飛び交うような季節になりましたね。私も軽い花粉症でこれからは注意が必要になってきます。去年は症状が軽かったのですが、さて今年はどうでしょうか。

投稿者 m-staff : 2015年02月13日 09:30

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