[2015年02月26日]

春かぜに吹かれ妻子のある身かな

楠本憲吉(1922〜88)

春かぜ(風)が春の季語。春の風、春風(しゅんぷう)も同意の季語です。
作者は、この句で結婚したての頃の充実した幸福感の中にも、併せて家庭というものに縛られている身の一人の男としての憂愁をさらりと漂わせていますね。男は誰しも二つの顔を持っているようです。その幸福と憂愁の兼ね合いを「春風」といった季語がこの俳人の詩心の特徴になっています。
この句は、1985(昭和60)年刊行の「楠本憲吉句集」に所収されています。作者は、自選のこの本の中で、「俳句は<私性>と<悲性>の交差する文学であり、<遊び>と<真実(まこと)>の奇しき兼ね合いの文芸であると思う」と述べています。
作者くすもと・けんきちの紹介は、2005年4月25日を参照。
(出典:勝目 梓著「俳句の森を散歩する」、小学館、2004年刊)
・横須賀は雨。雨が降るとスギ花粉が飛ばないので幾分調子はいいようです。今日は、かの「2・26事件」の日。1936(昭和11)年、大雪の中、陸軍1,400名の将校、兵などが首相・陸相官邸、警視庁などを襲撃。東京市に戒厳令が布告されました。各界に大きな衝撃を与えました。

投稿者 m-staff : 2015年02月26日 09:43

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