[2015年03月13日]

如月も尽きたる富士の疲れかな

中村苑子(1913〜2001)

如月(きさらぎ)が春の季語。衣更着(きさらぎ)、梅見月も同意の季語です。
俳句の季感では、仲春になりますが、普通の人の感覚では、いまだ寒い季節ですね。如月の語源には様々な説があります。気更(きさら)に来るとか、生更(きさら)ぎとか、草木が更生するなど、万物が萌え出すころの意味でしょうか。また如月には、響きとして寒い印象がありさらに着物を重ね着するので、衣更着というのもよくわかりますね。
この句には、作者が若い日に故郷の伊豆でいつも見慣れていた富士山にある日別の顔を見ます。冬の間は山頂から裾の方まで雪におおわれていましたが、2月の末から3月になるとどこかに疲れたような表情を見せます。それは暖かくなって春を告げる変化ですが、気持ちが落ち込むような感じも漂います。
この句は、1975(昭和50)年刊行の句集「水妖詞館」に所収されています。
作者なかむら・そのこの紹介は、2005年3月25日を参照。
(出典:大岡 信著「第三 折々のうた」、岩波新書、1983年刊)
・4日続いた強風がようやく収まりました。さあこれで本当の春が来るのでしょうか。相模湾の白い波も今朝は穏やかに見えます。富士山は霞がかかってぼんやり見えます。

投稿者 m-staff : 2015年03月13日 09:51

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