[2015年03月27日]
ある日より笑いひはじめし名なき山
桂 信子(1914〜2004)
山笑ふが春の季語。笑ふ山も同意の季語です。
この季語は、中国宋代の郭煕(かくき)の「山水訓」にある「春山淡冶(たんや)にして笑ふがごとし」という言葉から来ています。早春の山の明るい色づきの様子を表しています。雪解けの山、草を焼いて黒々とした山、木々が芽吹き出して草が萌え出す山、桜の咲きだした山、霞のたなびく山など、明るく生気を高ぶらさせた山などを言います。
この句では、「山笑ふ」を言い換えて「笑ひはじめし」と時の推移を捉えたところに俳味がありますね。「名なき山」とは、高くそびえる山ではなく、丸みを帯びた低山でしょうね。季語に対する固定観念から抜け出して、自然の様子をさりげなく視野に入れてのふくよかな感性に魅かれます。
話変わって、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの全曲視聴を完了しました。その数654曲。交響曲104曲、ディヴェルティメント60曲、弦楽四重奏曲が84曲、その他もろもろ。ハイドンは、楽想の典雅さにおいて、モーツアルトに多大な影響を与えたことを知りました。バッハと同じで彼の作品でないものも多く交っています。
作者かつら・のぶこの紹介は、2005年6月4日を参照。
(出典:村上 護著「今朝の一句」、講談社、1995年刊)
・24日のフランスアルプスへのドイツ機墜落事件は、副操縦士の仕業らしい。人の命を預かるパイロットがこのような事件を起こしたとしたらこれから一体どうしたらいいのでしょうね。
投稿者 m-staff : 2015年03月27日 09:00
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