[2015年05月09日]

首ふり亭主尻ふり女房走馬燈

中村草田男(1890〜1946)

走馬燈が夏の季語。回灯籠(まわりどうろう)、そうばとうなども同意の季語です。
近頃は見かけなくなりましたが、夏の夕べや宵をくつろぐ涼味ある慰みごとで小さいころに見たことがあります。夜店などで売られて懐かしくもありますが、それとともに人生のはかなさを思わせるイメージがあります。
これは薄い紙や絹を張った箱型の灯籠の内側に、黒い厚紙などに馬や鳥、その他の獣、草木、または人物をくりぬいた円筒を立て、上に風車をつけます。中心に火皿やろうそくを立てて火をつけ、切り抜かれた馬などの模様が箱に張られた薄紙に影絵となって映ります。やがてろうそくの熱で生じた風のために円筒が回り、それらの絵があたかも走っているように見えます。
この句は、どんと構えた亭主に対して、何やかにやと忙しく立居ふるまいの女房がまるで走馬燈のように見える、と詠っています。謹厳そのものの作者にしては、珍しいユーモラスな句ですね。
作者なかむら・くさたおの紹介は、2005年1月23日を参照。
(出典:多田道太郎著「おひるね歳時記」、筑摩書房、1993年刊)
・「YouTube」による全曲視聴の試みは、メンデルスゾーン、ベルリオーズを終えて、いまはリヒアルト・ワーグナーに取り組んでいます。ドイツ・ロマン派音楽の劇的分野における最高の音楽家と言われ、いずれも2時間、3時間の長大な曲。まるで音の洪水です。いささかくたびれますね。

投稿者 m-staff : 2015年05月09日 09:23

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