[2015年05月12日]

葉桜や少年厚き書を抱へ

佐藤博重

葉桜が夏の季語。
あんなにも華やかに咲いていた桜の花が散り終わると、みずみずしい若葉の色が濃くなって、美しい姿に染まります。桜の木も花時を過ぎて余花のころになるともとの静けさに戻り、訪れる人も少なくなりますね。新緑の萌えたつような五月の桜並木を歩くと、青葉、若葉のトンネルになり、吹く風に一斉に葉をそよがせます。あたりには桜の葉の香りがほのかに漂っています。
この句は、その葉桜の中を一人の少年が厚い本を抱えて歩いています。ただそれだけの光景ですが、読むものをしてこの少年の前途が平穏であれかしと祈る不思議な気持ちにさせてくれます。
「少年老い易く学成り難し」という言葉が浮かんできます。月日の経つのは早く、自分はまだ若いと思っていてもすぐに年を取ってしまう。それに反して学問の世界はなかなか成し遂げがたい。それだからこそ寸暇を惜しんで目標に向かってす進まなければならない、と教えてくれるようですね。
作者さとう・ひろしげの紹介は、2011年8月7日を参照。
(出典:佐藤博重著「初蝶」、梅里書房、2005年刊)
・台風6号の影響でしょうか、風が強くなってきました。関東地方は今夜から大雨の予報です。5月にしてはもう7号まで発生とは珍しい年です。今年も1年間、異常気象に振り回されるのでしょうか。

投稿者 m-staff : 2015年05月12日 09:24

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