[2015年05月16日]

渓越して樋水走りぬ今年竹

島田青峰(1882〜1944)

今年竹が夏の季語。若竹、竹の若葉も同意の季語です。
春に生い育った筍は次第に皮を脱いで、夏には若々しい竹となります。皮を脱いだばかりの竹は粉をふいて白っぽく見えますが、やがて目に鮮やかな青緑となります。若竹の姿は生気にあふれて清々しい気持ちになりますね。
この句は爽やかな印象の句ですね。渓(たに)を越えて、今年竹が生えているかたわらに、竹の樋(とい)がかかっていて、山から清水が走っています。情景が良く見えますね。
この句は、1935(昭和10)年刊行の句集「海光」に所収されています。
作者は、大正の初期に高浜虚子の「ホトトギス」がもてはやされた時期に、8年間編集しました。俳誌「土上」を篠原温亭と創刊し、後に主宰しました。同誌は昭和新興俳句運動の一翼を担いましたが、1944(昭和19)年に逮捕、弾圧されて、帰宅は許されましたが亡くなりました。
作者しまだ・せいほうの紹介は、2007年3月11日を参照。
(出典:大岡 信著「新 折々のうた2」、岩波新書、1995年刊)
・雨が降っています。今日は横浜で句会。関内では、全国から業者が来て、大陶器市が開かれます。

投稿者 m-staff : 2015年05月16日 08:54

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://yasumasa.jp/nmt/mt-tb.cgi/5174