[2015年07月13日]

うすものの袖のうごきてまた薄く

下田実花(1907〜84)

うすもの(羅)が夏の季語。絽、紗、軽羅(けいら)、薄衣(うすぎぬ)なども同意の季語です。
この頃あまり見かけなくなりましたが、着物を着ている人は勿論のこと、見た目にも爽やかですね。うすものの種類は、絽、紗、明石、透綾、上布なお薄く軽やかに織ったもの、またそれらで仕立てた単衣(ひとえ)もののことです。古くは「蝉の羽衣」とも言いました。昆虫の羽のように透きとおり、文字通り軽羅、薄衣というにふさわしい着物です。
この句は、うすものの袖はそのしぐさによっては、一層透けてさらに涼味を呼び起こすと詠っています。自然の内にポロリと出た一句ですね。作者は、俳人山口誓子の実妹、新橋で芸妓をしていたことがあります。仲間の武原はんや竹田小時と一緒に「ホトトギス」の異色俳人としてよく知られていました。
作者しもだ・じつかの紹介は、2006年10月24日を参照。
(出典:村上 護著「今朝の一句」、講談社、1995年刊)
・高校野球、全開の夏です。今年は、夏の全国大会が始まって100年、甲子園を目指して熱戦が行われています。高温の中での試合、選手も観客も熱中症にならないようにご注意を。

投稿者 m-staff : 2015年07月13日 09:22

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