[2015年08月26日]

なんの湯か沸かして忘れ初嵐

石川桂郎(1909〜75)

初嵐が秋の季語。
この風は、秋になり台風の先駆けとなって吹く風です。その頃は、まだ夏の余韻が強く、それをがらりと変えるのは、やはり台風の襲来ですね。
この句の「なんの湯か沸かして忘れ」というのをとても面白く感じます。なぜ、このような湯を沸かしたのかというのは、夏バテ、夏ボケのせいかのせいもあるでしょうが、どこかに水に頼っていた時期が去ってゆく気持ちがあります。秋になって、水よりは火が恋しい季節が近づいているという、夏の季節が終わったという季節の推移に気が付いて愕然としている作者の気持ちが伝わってきます。
年を取らなくても、日常、水を沸かして何のためかと判然としないのはいつものことですが、あらためて俳句になるとその底にはユーモアが感じられますね。
作者いしかわ・けいろうの紹介は、2006年2月8日を参照。
(出典:宇多喜代子他編「日本の歳時記」小学館、2012年刊)
・台風の余波でしょうか、急に涼しくなりました。秋涼といった気候です。夏休みが終わり、学校が始まり、マンションの「風のひろば」は、静かになりました。

投稿者 m-staff : 2015年08月26日 09:26

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