[2015年10月23日]
蓑虫にならねばぶらりともできず
鷹羽狩行
蓑虫が秋の季語。鬼の子、鬼の捨子、蓑虫鳴くも同意の季語です。
蓑虫は、体から分泌した糸で枯葉や樹皮の切れはし、細い木の枝を綴り合せて袋状の巣をつくりその中に棲んでいます。その状態で木の枝などにぶら下がったまま越冬し、春のなると雄の幼虫は羽化して蛾になり、袋から出てきますが、雌は羽も触角もない形のまま蓑の中で過ごします。「鬼の子」は、「枕草子」の中の「蓑虫、いとあはれなり。鬼のうみたりければ…」から来ていると言われています。
この句は、「ぶらり」が効いていて、おかしくなりますね。枝にぶらりとぶら下がっている蓑虫と、多忙な人間のぶらりともできない生活との対比が絶妙ですね。
この句は、1989(平成元)年刊行の句集「第九」に所収されています。
作者たかは・しゅぎょうの紹介は、2005年2月1日を参照。
(出典:大岡 信著「第十 折々のうた」、岩波新書、1992年刊)
・プロ野球のドラフト会議というのは、いつ見ても不思議な光景ですね。くじ引きでその人の人生を決めようというのですから、公正でも何でもありません。ほかに方法は無いのかしら。
投稿者 m-staff : 2015年10月23日 09:40
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://yasumasa.jp/nmt/mt-tb.cgi/5337