[2015年11月23日]

石垣のあひまに冬のすみれかな

室生犀星(1889〜1962)

冬のすみれ(菫)が冬の季語。冬菫、寒菫も同意の季語です。
冬菫という特定の品種があるのではありません。菫の種類は多く、山野のいたるところに自生していますね。春になると可愛らしい花を咲かせますが、日当たりの良い暖地では冬の内に花を見せます。枯葉の中に藍色の小さな花を掲げた菫は、可憐で忘れられない印象がありますね。庭の日溜りに、いつの間にか咲いていることもあります。全体に小ぶりで色の濃いものが多く見られます。
この句は、見たそのまま。おやこんなところに菫が顔を見せているという作者の感興が詩になっています。
今日は、勤労感謝の日。元は新嘗祭(にいなめさい)と言いました。勤労には、お金にならないものもありますね。
作者むろう・さいせいの紹介は、2005年6月20日を参照。
(出典:青柳志解樹著「俳句の花(下)」、創元社、2008年刊)
・今頃は朝晩が寒く、昼間は暖かという寒暖の差の激しい季節ですね。とかく体調のすぐれないことが多いものです。どうぞ体調不良にならないように気を付けてください。

投稿者 m-staff : 2015年11月23日 09:30

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