[2016年01月29日]

寒紅や暗き翳ある我が運命

下田実花(1907〜84)

寒紅(かんべに)が冬の季語。丑紅も同意の季語です。
寒紅は、もともと寒中に紅花から作った最高品質の日本紅を言います。品質と色が良好とされて、特に江戸後期から明治にかけて、寒中の丑の日に売り出された紅が最高級品とされてきました。食用と化粧用がありましたが、値段と量の面で太刀打ちが出来ずに、現在では最高級品の一部にわずかに使用されていると言われています。
この句の作者は、4歳の時に母が亡くなり、下田家(尾上梅昇)の養女となり、14歳で花柳界に入り、新橋芸妓となりました。俳人・山口誓子の実妹で、「ホトトギス」の異色俳人です。
この句では、そのような境涯の一端を披露しています。寒紅の赤さと「翳(かげ)ある我が運命(さだめ)」が効いていますね。
作者しもだ・じつかの紹介は、2006年10月24日を参照。
(出典:角川春樹著「合本俳句歳時記」、角川春樹事務所、1998年刊)
・昨日は天気も良く、裏の武山不動院での初不動に、多くの皆さんが参道を昇って行きました。今日は、終日雨の予報です。

投稿者 m-staff : 2016年01月29日 09:26

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