[2016年04月15日]

旅の夜のさくら湯心ゆるしあふ

古賀まり子(1924〜2014)

さくら湯が春の季語。桜漬、花漬、塩桜、桜茶なども同意の季語です。
八重桜の半開きの花や蕾を塩漬けにしたものを茶碗に入れて湯を注ぐと「水中花」のように開いてとても美しく感じますね。お見合いの席や婚姻の仲人を迎え入れる側では、お茶を避けてまずこれで接待したものです。「桜漬」とも呼ばれます。花を愛で、春を喜ぶ心の具体化されたような漬物。アンパンのおへそに入れられているのも懐かしく思います。
この句では、婚姻ではなく、旅に出て宿のおもてなしの桜湯に、ゆったりとしてもう一泊したくなると詠っています。
作者こが・まりこの紹介は、2005年10月4日を参照
(出典:「合本 俳句歳時記第三版」角川書店、2003年刊)
・昨晩の9時26分に発生した熊本大地震。「ブラタモリ」で見た熊本城の天守閣の瓦が大分落ちました。断層帯が大きくずれたようで余震がまだしばらく続きます。くれぐれもご用心を。

投稿者 m-staff : 2016年04月15日 09:30

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