[2016年08月09日]

「かくて夏果つ」と立腹帳に書きて寝る

井本農一(1913〜98)

夏果つは夏の季語。夏の果、夏過ぐ、夏行く、夏惜しむ、夏の名残なども同意の季語です。
「かくて夏果つ」は破調ですが、これを一気に言い切ることで、句の内容はぐっと引き締まりました。人生を季節に置き換えてみるならば、夏は活力旺盛な時期。秋は静かな余生とも言えますね。これを人生になぞらえて「夏果つ」の思いを座右の「立腹帳」に記したのかも知れません。けれどもこれは何事かに八つ当たりするのではなく、作者は醒めた目で人生を見ています。「かくて夏果つ」という強い言葉の前にはどのような立腹語があったのでしょうね。
この句は、1991(平成3)年刊行の句集「微茫」に所収されています。
今日は、長崎原爆忌。
作者いもと・のういちの紹介は、2009年10月21日を参照。
(出典:大岡 信著「第10 折々のうた」、岩波新書、1992年刊)
・リオ五輪は、体操男子団体で金、柔道男子73キロ級で大野将平選手が金を獲得。体操男子はハラハラドキドキの連続。まるでサーカスみたいですね。

投稿者 m-staff : 2016年08月09日 09:25

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