[2016年09月04日]

秋風に向けて飯炊く小舟かな

栗田樗堂(1749〜1814)

秋風が秋の季語。秋の風、金風、爽籟、風爽やかなども同意の季語です。
江戸時代には、瀬戸内海で主に舟を日常生活に住居とする「家船(えぶね)」と呼ばれる水上生活者がいました。晩年の作者は瀬戸内海の孤島に庵を結んでいましたので、その頃の光景を句に詠いました。侘しい舟の上での炊飯の風景を風雅の世界に転じているのは面白いですね。
作者くりた・ちょどうは、愛媛県松山の生れ、江戸時代文化のころの人。生家は富裕な酒造業で、栗田家の養子になり、25歳で町方大年寄を務めました。俳諧は加藤暁台門下。特に懇意で訪ねてきた小林一茶をよくもてなしました。句風は温雅ですが、清新味をたたえています。
(出典:村上 護著「今朝の一句」、講談社、1995年刊)
・北海道や岩手では台風10号の残骸の整理、九州では台風12号が停滞して被害が心配ですね。災害列島に、自然の猛威があらためて浮き彫りになっています。

投稿者 m-staff : 2016年09月04日 09:59

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