[2016年11月22日]
神の留守立山雪をつけにけり
前田普羅(1884~1954)
神の留守が冬の季語。
昔、陰暦10月には、日本中の神々が出雲大社に集合し、談合すると言われて、その間はほかの神社に神がいなくなると信じられてきました。
神無月ともいわれています。もともと、日本の神は農業に結びついているので、春にきて作物に豊穣をもたらし、秋に帰るという信仰があって、冬の間、村里に神がいないと考えられたものが、中世以降出雲信仰と結びついて出雲大社に集合するというようになったものと思われます。現在、神の留守を忠実に守っているのは、恵比寿神社や荒神様と言われています。
この句の立山は、雪をつけ、その姿を新にします。そこに神々のドラマを見、自らの生と死とも関連させてゆきます。作者は報知新聞の富山支局長として、立山に始終接していました。
今日は、小雪。このころは、寒さが増しますが、雪はまだ大ならず、で小雪と言います。
作者まえだ・ふらの紹介は、2005年2月5日を参照。
(出典:村上 護著「今朝の一句」、講談社、1995年刊)
・今朝5時59分に福島県沖で地震発生。福島、宮城に津波警報。あれから5年過ぎてもまだ自然の驚異は続いていますね。横須賀は震度1程度の揺れを感じました。
投稿者 m-staff : 2016年11月22日 09:50
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