[2016年12月21日]

出刃を呑ぞと鮟鱇は笑ひけり

阿波野青畝(1899~1992)

鮟鱇(あんこう)が冬の季語。琵琶魚、老婆魚、綬魚なども同意の季語です。
鮟鱇鍋を食べに神田の「いせ源」へ何度が出かけたことがあります。美味の時期は冬ですね。
アンコウ科の魚で大型の硬骨魚。深海に棲んでいます。全体に平たく、海底に岩のように静止していて、頭上の房状の鰭(ひれ)を揺らして、小さな魚を捕えて食べます。体長は60センチほど。冬になると、産卵のために浅い海に移り、これを漁師は底引き網で捕えます。
この句では、不運にも漁師に捕えられた鮟鱇が、いま自分を切り刻もうとしている出刃包丁を飲み込んでやるぞと笑ったというのですから、不気味ですね。不思議な迫力のある句となっています。
この句は、1986(昭和61)年刊行の句集「除夜」に所収されています。
同じ作者に次の句があります。
鮟鱇のよだれの先がとまりけり  青畝
果たしてよだれの出るような魚かしらね。
今日は、冬至。1年中で最も太陽の位置が低く最も昼の短い日ですね。
作者あわの・せいほの紹介は、2005年4月21日を参照。
(出典:大岡 信著「第七 折々のうた」、岩波新書、1989年刊)
・トルコのアンカラではロシア大使暗殺、ドイツのベルリンではクリリスマス市へトラックの暴走など、テロが相次いでいます。ヨーロッパはどうなるのでしょうね。

投稿者 m-staff : 2016年12月21日 09:51

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