[2017年02月21日]

梅園の奥光琳図顕ちにけり

文挾夫佐恵(1914~2014)

梅園が春の季語。梅、白梅、野梅、春告草、臥竜梅、枝垂梅、盆梅なども同意の季語です。
作者は、梅園で梅の花を見ているうちに、名画と心が一体化したようです。ここで「奥」とありますが、梅林と頭の中にある屏風絵が呼応して華やかさを狙っています。この句の「顕(た)つ」は、もともとの意味はきらきら輝くことですが、しかしここでは幻影のように顕われることでしょうね。
ここで言う「光琳図」は、尾形光琳の傑作「紅白梅図屏風」のこと。尾形光琳は江戸中期の画家。乾山の兄で京都の呉服商に生まれ、初めは狩野派風の絵を学びましたが、やがて光悦や宗達の装飾画風に傾倒して大胆で華麗な筆致を生み、また蒔絵や染織など工芸の分野でも活躍しました。後に光琳派、琳派と呼ばれるようになりまましたね。
この句は、1995(平成7)年刊行の「井筒」に所収されています。
作者ふばさみ・ふさえの紹介は、2006年12月26日を参照。
(出典:大岡 信著「新 折々のうた2」、岩波新書、1995年刊)
・昨日は台風並みの風が吹いて一日中大変でした。今日は風も収まって穏やかな日和になりました。春先にはよく起こる現象です。

投稿者 m-staff : 2017年02月21日 09:33

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