[2017年06月27日]

扇閉づ悲しきことを問はれゐて

鷲谷七菜子

扇閉づが夏の季語。扇子、末広、白扇、絵扇、古扇、扇売なども同意の季語です。
仕事をしていたころは、夏になると、保険の外交員の方からお中元として扇子をよくいただきました。今でも手元に置いて愛用しています。
「万葉集」にも夏の扇が出てきますが、日本で作り出されたものです。中国のものは、本来団扇の形で、日本のものとは違いますね。日本のものは蝙蝠羽を見て学んだもので、「源氏物語」では、扇を「かわはり」と言いました。涼を取る涼しき心映えが扇の本当の意味で、良い香りをつけたり、絵模様をつけたりするのもそのためです。
この句で、作者は何か悲しいことがあった時に、相手から何か悲しいことを聞かれて、すっと扇を閉じたときの心の在り方を句に仕上げています。扇が大切な役割を演じています。
作者わしたに・ななこの紹介は、2006年3月9日を参照。
(出典:平井照敏著「新歳時記」、河出書房新社、1989年刊)
・愛妻を亡くした市川海老蔵の心境は、今日の取り上げた句が証明していますね。それにしても34歳で天国へ行くなんて、何と言ったらいいのでしょうか。仏教で「定命」という言葉があります。寿命は一定していると断じています。悲しいことです。

投稿者 m-staff : 2017年06月27日 09:35

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