[2017年07月26日]

空蝉を頒つ太郎の掌次郎の掌

佐野まもる(1901~84)

空蝉(うつせみ)が夏の季語。蝉の殻、蝉の脱殻、蝉の蛻(もぬけ)なども同意の季語です。
蝉が成虫として地上にあるのは1週間と言われていますね。地中での幼虫時代は長い年月を過ごしています。十分に樹液を吸って成熟した蝉が夏の夜に地上に這い出してきて、背を割って脱皮します。たいていは樹木の上にその脱殻を見ます。この脱殻を「空蝉」と言いますが、羽化したばかりの蝉はとても美しい姿です。
この句は、太郎次郎の兄弟が空蝉をお互いの掌に頒(わ)けて、その姿をしみじみとみている姿が浮かんできますね。生命の神秘、自然の素晴らしさが頭に刻まれたことでしょう。
作者さの・まもるの紹介は、2006年7月6日を参照。
(出典:平井照敏著「新歳時記」、河出書房新社、1989年刊)
・相模原市の知的障害者施設で46人が殺傷された事件から今日で1年。犯人の信じられないような言説に唖然とします。偏見や差別を超えて人は優しくなれます。それは信じて「人間」だからです。

投稿者 m-staff : 2017年07月26日 09:37

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