[2017年10月19日]
べつたら市更けても去らぬ酔語あり
水原秋櫻子(1892~1981)
べつたら市が秋の季語。夷子講市(えびすこういち)、浅漬市なども同意の季語です。
昔、勤めていた会社が東京日本橋本町の宝田恵比寿神社の周辺にあったので、べつたら市のころは事務所の中まで麹の匂いが充満していました。今日は雨、そういえばべつたら市はいつも雨でしたね。
べつたら市は、日本橋の大伝馬町、小伝馬町に立つ市で翌日20日の夷子講に用いる夷子大黒や雑器を売りましたが、このとき浅漬け大根に麹のべったりついたものを売り出し、これを買った人が「べったら、べったら」と言って人込みを歩きます。麹が服についても文句が言えず、逃げ回る面白い市で、それでこの市をべつたら市、この浅漬けをべったら漬というようになりました。
この句は、お祭りに合わせて繰り出した人たちが夜遅くまで酔っぱらって奇声を発している様子が伝わってきますね。
作者みずはら・しゅうおうしの紹介は、2005年1月17日を参照。
(出典:角川学芸出版編「角川季寄せ」角川学芸出版、2014年刊)
・ヤンキースの田中将大投手が素晴らしい投球で勝利。3連勝で王手をかけ、ニューヨークからヒューストンへ出かけます。
投稿者 m-staff : 2017年10月19日 09:48
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