[2017年12月15日]

白粉の残りてゐたる寒さかな

中村吉右衛門(1886~1954)

寒さが冬の季語。寒し、寒気、寒冷なども同意の季語です。
今年の長期予報では、寒さが厳しいと言われています。寒さは、冬の気温の低下を身体で感じる表現で、これは単に身体的な感覚だけでなく心理的にも様々な対象に対してとらえられる感覚ですね。
作者は、歌舞伎の名優。独自の芸風を樹立し、初代吉右衛門となります。俳句は、高浜虚子に学び、「ホトトギス」の同人。虚子は「氏の句は純粋、率直、何の求めるところなく、何のてらうところもなかった」と評しています。
この句は、舞台に出た後の白粉が残っている顔をしげしげと見て、今日の芝居はなかなか思うようにならなかった、と述懐しているようですね。それが寒さと響きあっています。
作者なかむら・きちえもんの紹介は、2005年1月10日を参照。
(出典:「日本大歳時記」、講談社、1981年刊)
・NHKの報道によると、東大の研究グループが世界で初の割れてもすぐ直るガラスの開発に成功しました。これは「ポリエーテルチオ尿素」と呼ばれる物質で作ったガラスで、割れても数十秒間、断面を押し付ければ元どおりに修復し、また数時間あれば元の強さにもどることも確認できたということです。画期的ですね。

投稿者 m-staff : 2017年12月15日 09:41

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